兵庫県の注文住宅建築設計事務所 松尾設計室のブログ

「健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する」設計事務所です。
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昨日大阪講演のついでに最新型の有機ELテレビの視聴もしてきました。

昨日大阪講演のついでに最新型の有機ELテレビの視聴もしてきました。

リビングを設計する上でテレビをどこに置くのかということは欠かせない条件です。かなり前から薄型テレビかつ40インチ以上(今では50インチ以上)が常識となっています。これをすっきり納めようとするとブラウン管時代のようにコーナーに配置するとせっかくの薄さの意味がなくなってしまいます。

そこで部屋の壁の中央に設けることが多くなるのですが、そうすると南の窓が大きく、かつ間仕切りの少ないプランだとそもそも背面の壁を設ける事自体が難しかったりするわけです。

さらに言うと、壁掛けにしないかぎり、大画面になるほど転び防止のために足の奥行きが大きくなるのでいくらパネル部が薄くなっても薄さを生かしきれません。

ということで当社ではほぼ必ずテレビは壁掛けにするようにしています。これは12年前からやっていることです。
当時はプラズマ全盛で本当にテレビも金具も分厚かった・・・壁掛けにしても15cm以上飛び出していました。

それが今なら金物を含めても余裕で5cm以内に納まります。
たまに「角度を変えたい」といって特殊な金物を要望される方がいますが、出幅が非常に大きくなる。それにプラスして斜めにしたときに重みで垂れるので本当にかっこ悪くオススメしません。

もうひとつ大きく変わってきたのが画面との距離関係です。ハイビジョンになる前の時代の目安は
「画面高さの9倍離れた位置で見る」
というのが推奨でした。
よく親から「目が悪くなるから離れてみなさい!!」と
言われましたよね。

医学的なことは分かりませんが、この距離より前に行くとドットが荒かったのでつぶつぶ感が目立って仕方なかったというのが正確なところです。

ところがフルハイビジョンが出てきてこの倍率が3倍にまで小さくなりました。

さらに今電気屋で主役を担っている4Kになると1.5倍です。
1.5倍の距離で視聴すると55インチとか60インチでも映画館の
大スクリーンを見る場合とたいして変わらないくらい大きく見えます(自分の目に占有する画角が広い)

よって6畳間の短辺方向でも65インチを置いても無理がなくなってきました。こういうことを知っておかないと適切な設計ができません。

次に、有機ELですが何が違うのかというと端的に黒い部分(暗い部分)の表現力が液晶とは段違いです。液晶は黒い部分でも裏から発行せざるをえないので、厳密には濃いグレーみたいな感じになります。映画館のように真っ暗にすると、暗い部分が発光しているのがよくわかります。

それに対して、有機ELだと黒い部分は一切光っていないので本当に真っ黒です。一番わかり易い比較は「真っ暗な部屋でろうそくを灯しているシーン」を真っ暗な部屋で見る場合なんかに驚くほど違いが出ます。こんなことは珍しいかもしれませんが、映画好きの人が照度を落として夜のシーンを見るなんてことは普通にありますから、そういう時にものすごい差があるということです。

ところがついこないだまで有機ELのテレビは韓国のLGしか販売していませんでした。しかもIphoneのようなブランド化した販売戦略を取っているため通常の家電店には置いていません。

つい最近東芝が発売しましたが、結局パネルはLG製を転用しています。たまたま昨日見に行くと、横同志で同じ65インチの東芝製とLG製が並べてありました。

誰が見てもわかると思いますが、東芝製のほうが画質が良かったです。この差は映像エンジンと呼ばれる演算装置(パソコンのCPUみたいなもの)の差にあります。東芝製のほうが微妙な明度差があるところが潰れずにしっかりと段階表示されているのに対し、LGだと潰れてしまっていました。

本来は原理的に有機ELの方が面積当たりの消費電力は下回ると言われています。ところが現時点では技術的にまだ未熟なところもあり有機ELの方が若干上回っている状況です。まして価格となると1.7倍くらいしています。

おそらくですが、今までの流れからすると数年後には価格も消費電力も劇的に下がってくると思われます。まだ時期尚早ですが、10年ほど続いた液晶の天下も代わりつつあるということなんだと思っています。
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2017年1月2月の講演予定

2017年1月2月の講演予定

2016年の講演予定は69回目の最終講演を終えたのですべて終了しました。

来年もいろんなところから講演依頼が来ています。現在確定している予定をアップしておきます。

1月13日 コラボハウス社内講演in松山(クローズド)

1月19日 省エネ建築診断士講習in仙台
http://passivehouse-japan.org/training/seminar/

1月24日 コシイプレザービング設計セミナーin大阪

1月26日 YKKAP高松設計セミナー

1月27日 コシイプレザービング設計セミナーin大阪

2月2日 ハイアス&カンパニー東京講演

2月6日 エコハウス大賞新宿OZONEシンポジウム
http://builders-ecohouse.jp/news/%E7%AC%AC2%E5%9B%9E%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E5%A4%A7%E8%B3%9E-%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0%E9%96%8B%E5%82%AC/

2月7日 コシイプレザービング設計セミナーin東京

2月11日 健康省エネシンポジウムin姫路
http://www.kokumin-kaigi.jp/170211event.html

2月23日 真庭市建築士会&YKKAP共同で岡山県真庭市講演

2月24日 奈良県田原本市にて関西電力講演

なお、ご予約は各主催者にお問い合わせ願います。

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「家庭からの二酸化炭素排出量の推計に係る実態調査」のまとめ

先日、村上敦さんが紹介していた
環境省制作による
「家庭からの二酸化炭素排出量の推計に係る実態調査」を
読み終えました。
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/kateitokei/chosa35.pdf
今まで見た一般家庭のエネルギー消費に関する実態調査の
中で一番くわしいデータであったと思います。
全国あちこち講演で回って来ましたが、それでも分かっていない
ことを新たにたくさん知ることができました。
本当に抜粋ですが、まとめておくと下記のようになります。
・家庭のCO2排出の7割が電気による
・一世帯あたりで比較すると集合住宅は戸建住宅の約半分しかCO2を排出していない
・60歳までは年齢が増すごとにエネルギーを消費しているが
 60歳を超えると減っている
・世帯当たり自動車用ガソリンの使用量も集合住宅は戸建住宅の約半分
・1月のCO2排出量が圧倒的に多い(8月のほぼ倍)
・集合住宅は暖房エネルギーが圧倒的に小さい(戸建ての約1/3)
・集合住宅の電気消費量は戸建住宅の約半分
・都市ガスの使用量に関してだけは戸建てよりも集合住宅の方がほんの少しだけ多い
・灯油の使用量に関してては戸建ては集合住宅の約5倍消費している
・年間自動車燃料費として戸建は年10.1万円、集合住宅は年5.0万円、平均で7.8万円使っている。
・戸建で一番使われる暖房器具は灯油ストーブ類で35.6%、ついでエアコンで25.5%
・集合住宅で一番使われる暖房器具はエアコンで33.8%、ついで電気カーペットこたつで25.2%
・戸建ての平均エアコン台数は2.8台、集合住宅は1.5台
・戸建ての太陽光発電設置率は12.1%、2011年以降の新築に限ると31.3%
・太陽光発電の平均容量は4.5kW
・地方別のCO2排出量は北海道を押さえて北陸が最も多い。逆に関東甲信越がもっとも少ない。北海道、中国地方も悪く、東海、近畿、九州、沖縄は良い
・自動車燃料にかかる地方別のCO2排出量も北陸が最悪。関東甲信越と近畿は非常に少ない
・集合住宅比率がもっとも高いのは沖縄で53%、ついで関東甲信越の52%、もっとも低いのは北陸の24%
・戸建住宅の平均世帯人数は2.90人、集合住宅は1.96人
・世帯人数が最も多いのは北陸
・戸建住宅の平均面積は130.8㎡(39.56坪)、集合住宅は59.2㎡(17.9坪)
・地方別の延床面積は北陸が最大で135.6㎡、沖縄が最小で87.0㎡
これらをまとめる中で、北陸の特異性がよく見えてきました。昨日まで金沢におりましたが、寒くて日照が少ない。さらに戸建住宅比率が高く、家族人数が多い。そしてたくさんの車を所有し、結構な距離を走る・・・そんな感じのようです。一人あたりにしてみるとそこまで悪くないような気もしました。
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今の日本では電気自動車はハイブリッドカーとかわらない・・・

何度も書いてきましたが、もうすぐトヨタからプリウスのプラグインハイブリッドが発売されます。一昨日は日産からエンジンを発電機としてしか使わないタイプの電気自動車(ハイブリッドカー)も発売されました。ハイブリッドカーが主力だった時代からもう一段先に進もうとしている、まさに途中経過の段階と言えるでしょう。
 ここで車雑誌はネットでもほとんど書かれることがない重要な事実を書いておきたいと思います。殆どの方は「電気自動車はCO2を排出しない」と思っているかもしれませんが、決してそんなことはありません。充電器の元をたどれば、地元の電力会社にいくわけで、結局そこでは石炭、ガス、石油が燃やされて発電が行われています。自動車本体でガソリンを燃やすか、発電所まで遡ってもやすかというただ、それだけの違いです。
では電気自動車には全く意味がないのでしょうか?
ということで、最近の講演でたまに話している内容をまとめてみます。
まず日本の一般家庭の標準的な車の利用は13km/Lの車で年間1万kmという状況だそうです。
この状況での一次エネルギー使用量が約27GJ。この話はおそらく講演で100回以上話してきました。
今現在最新型のプリウスに父が乗っているのですが、その実燃費はおよそ26km/L程度
ということは年間の一次エネルギー使用量は約13.5GJ
ここで電気自動車の代表である日産リーフを計算してみました。計算にあたりカタログ燃費で計算しても意味が無いので、ネット上でリーフオーナーが実燃費を公開しているサイトから平均を取りました。
その結果出てきた年間の一次エネルギー使用量はなんと13.5GJ!!
自分で計算してみて自分で驚きましたが、プリウスとリーフの燃費面での環境負荷は全く同じだったのです。あとはバッテリーの製造時のエネルギー等を考えるともしかしたらプリウスの方がエコと言える可能性すらあるのです。
しかしながら、同じ比較においてもこの2台をヨーロッパに持っていって比較すると事情が全く変わります。
例えばドイツですと発電所の燃料の約3割が風力や太陽光発電といった再生可能エネルギーになっています。この場合、プリウスは日本同様、車本体にてガソリンを燃やすことで走っているのですがリーフの場合、必要エネルギーの3割が再生可能エネルギーで賄われたことになります。当然その分CO2排出量も少ないわけです。
ということでヨーロッパではプラグインハイブリッド、電気自動車が日本以上の勢いでどんどん増えていっています。
日本では電気自動車と燃料電池自動車がしのぎを削っていることばかりがクローズアップされます。しかしいまのところ燃料電池自動車も結局はガスからの分離によって水素を作ることを前提としています。いずれにしてもこの2つの方式の環境メリットを引き出すにはもっと再生可能エネルギーを増やす必要があるといえそうです。
ただ、そうでなかったとしても副次的なメリットはあるといえます。電気自動車はフル充電しておけば一般家庭3日分くらいの蓄電はできます。災害時のバックアップ電源としては十分すぎるくらいの量です。また、将来、CO2の回収技術が発展した場合には一箇所でCO2を回収しやすいというメリットもあるでしょう。

とはいえ、こういった大局の検討がなされないまま業界が突き進んでいくのが日本の特徴だといつも思ってしまいます。
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2016年10月18日村上敦さん大阪講演まとめ

ドイツ人の14歳から22歳の80%は再生可能エネルギーと省エネを希望している。またそのための教育も充実している

太陽光発電、風力発電の35%は市民所有、11%が農家所有、14%が地域の所有で 合計6割が地域関係者の所有となっている。その結果、やたら景観を壊すような設置方法が行われることはまずない。また自分たちの利益の根源なのでクレームがでることも少ない。 日本ではほとんどが東京の大資本の出資となってしまっている。

※日本ではCO2削減のためだけに自然エネルギーがEUで伸びていると考える人が大半ですが、それだけではありません。むしろそれよりも大きな理由が、自分の地域内でお金と人が回せるようになるからという理由の方が大きいのです。例えばですが、火力発電が10円/kWh,陸上風力が15円/kWhとした場合(適当な想定)、日本ではメディアも経済評論家も「そんな高いものを使っていたら国も企業も滅びてしまう」という論調になりがちです。しかしながら、実際には火力の約半分の5円は海外に逃げてしまっています。残りの5円も大手電力会社に回るだけです。地元には一円のお金も残りません。ところが地域所有の風力発電の場合、お金と雇用の両方が地元にもたらされます。海外出ていくお金はありませんので、貿易赤字にもならず、エネルギー安全保障の面でも完璧です。こういった様々なメリットがあるからこそ、各国が必死になって取り組んでいるわけです。

省エネの3本柱は以下のとおり
1.電源の再エネ化
2.2030年までに8割の自動車をEV化
3.建築物全体の高断熱化

以上は毎年毎年すこしずつ確実に増やしていくことが出来る項目。毎年2.1%ずつ改善していけば、複利の効果で2050年までには目標が達成できる。また現実にそのペースできちんと動いている。

日本とは完全に異なり、太陽光発電と風力発電が一番ベースとなる電源として考えられている。次にその時点で必要電力を求める(予測する)ここで 必要電力量―再生可能エネルギーによる発電量=残余需要と呼ばれている。 この「残余需要」をまずはバイオマスで補う。そしてそれでも足りないものを火力で補うという順序になっている。

年に数日は風が強くて残余需要がマイナスになる瞬間が出てくる。そのときは電気代がマイナスになることもある。これは電気を使えばお金がもらえるという意味である。蓄電池を設置するよりもそちらのほうが安く上がる場合は、経済的合理性があると考える。 逆に年に数日は残余需要が極めて多い日(火力を大量に必要とする日)も存在する。日本だとこういったピークにあわせて、蓄電池や火力発電所の容量を検討してしまう。そうすることで過剰設備となり、非常に多くのコストがかかってしまう。ドイツではこういう数日は節電してもらうということでピークカットを促す方がはるかに経済的であると考えている。

太陽光と風力発電が今よりもずっと増えてくると、ピーク時の発電量は需要量をはるかに超える量となってくる。それを無駄なく利用するためにもヒートポンプと電気自動車の促進は欠かせない。

太陽光発電と風力発電の逆相関は非常にバランスが良い。太陽が照っているときは一般的に風が弱く、その逆もまたしかりということ。相互補完関係にあるといえる。 (昨日は言ってませんでしたが、風力6割から7割、太陽光3割から4割というくらいのバランスが特にバランスが良いみたいです)

日本のように再生可能エネルギーの比率が30%未満の段階は普及させることが優先なのでFIT(固定価格買取制度)が適している。しかしながら、25%を超えてくるあたりからはこの制度は適切な制度ではなくなってくる。そこでドイツではFIP(フィードインプレミアム)という制度に移行している。この制度は固定価格で買い取るのではありません。変動しやすい再生可能エネルギーによる電気をスポット市場で値決めします。こうすれば、発電量が多いときは安くなり、少ないときは高くなります。そうして変動する価格の平均値に対してプレミアム(差額)を支払うというのがFIPになります。  非常に難しい概念ですが、この制度ですと蓄電池を使って、安い時間帯に購入し、高い時間帯に売ることで儲けるみたいなことをする人が出てきます。こういった市場の行為によって需給調整機能が期待されるという効果があります。

電力、交通、熱の3分野においてIoTの技術を駆使して全体最適化を図ることをセクターカップリングといいます。ドイツではここ最近、学者の間でこのセクターカップリングが非常に大きく取り上げているとのことです。

DSM(デマンドサイトマネジメント)が発達してきている

家庭用蓄電池市場はベンチャー企業であるSonnet(ゾンネン社)の一強となった。設立後数年のベンチャー企業であるがすでに従業員数は400名もいる。売れ筋は2.5~5kWh程度の容量の蓄電池。IoT技術がセットになっており、天気予報と消費電力をアルゴリズムにて予測する。そして全国の同社の蓄電池同士で相互通信している。その結果、曇もあれば晴れもあるという地域による変動を平準化することに成功している。そうすることで自家消費率を80~85%にもすることに成功している。買い取り価格が安くなっているEUにおいては余剰電力を販売するよりも自家消費するほうが得であるため、自家消費率をあげることは非常に重要事項となっている。この理屈からすると、販売数が多い方が、平準化効果は大きいと思われる。そうなれば、一強の会社がますます強くなるという図式

風力発電、太陽光発電が証券化され、ポートフォリオの一環として組まれ始めている
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