兵庫県の注文住宅建築設計事務所 松尾設計室のブログ

「健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する」設計事務所です。

こんなにも差があるものを一口に「2.33以下」と謳われている現実

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こんなにも差があるものを一口に「2.33以下」と謳われている現実

つい最近新聞を読んでいると以前紹介した天才「レイ・カーツワイル」がグーグルに入社したことが
発表されていました。まさに最強のタッグですね。今後の世界を変えるコンビの誕生といえるでしょう。

今日紹介するのは日本の一般的な樹脂サッシ、空気層16mm アルゴンガス入Low-Eガラスの商品
(一般的に流通しており、現実的な価格の中で最高レベルの商品)
の引き違い窓においてWindEyeというソフトで熱貫流率を計算した結果です。

樹脂サッシサイズ別U値表

このサッシは我が国の表示方法では2.33以下というひとくくりの中で売られています。
メーカーのカタログにはこういった詳細なデータは掲載されていません。

しかし、この表を見ればわかりますが、実際には最も悪い左上の2.05と最も良い右下の1.62では
実に0.43もの違いがあるわけです。割合でいえば26.5%も異なります。
一般的な表示方法である2.33という数字と1.62を比較すると実に44%の差にもなるわけです。

次世代程度の住宅であれば、窓の熱損失は全体の40~50%を占めます。
その項目において44%もの差があるとすると家全体の熱損失が20%も異なる結果が出てくる
ことになります。

今回の例の場合はシミュレーション結果よりいい値が出るのでまだましです。
しかし、このように1窓毎に計算していくと、2.33以下と謳いながら2.33を
超えるサッシが存在します。これは虚偽表示です。防火問題で揺れたサッシ業界ですが
これも立派な問題です。私自身の考えでは火事を経験する人も機会も非常に少ない反面
窓の性能は1年のうち夏冬の9ヶ月、住まい続ける限りつきまとう性能なのでこちらの
方が余程重要性が高いと思っています。

まだ問題はあります。いくら高性能なサッシを開発しても1.6も2.33も同じくくりで評価
されるとしたら、誰がわざわざ1.6のサッシを開発しようと思うでしょうか?
住宅の燃費表示も同様ですが、車の燃費のような無断階表示ではない☆の数やランクで
評価する限りこういった問題は絶対に残ります。

最後になりますが、勘の言い方は気づかれたかと思います。ガラスが大きい窓ほど
断熱性に優れるということに・・・。これが意味することはもちろん、完全な樹脂枠で
あったとしても枠の方が断熱性に劣るということです。

それともうひとつ同じサッシでアルゴンガスがない場合もアップしておきます。
ガス無し
両者を比較するとアルゴンガスの効果は0.1~0.16の間であることが読み取れます。
これも今まで明確なデータが少なかったので参考になるかと思います。
ただ、もっと大きい掃き出し窓の場合は0.19くらいの差がつくこともあり、
私の感覚的には平均的に0.15の差があると思っています。

すぐに高性能窓を製品化するのは難しいかもしれません。しかし、価格表はこの表の
ごとく事細かにマトリックスを組んでいるのでその中にU値もぜひ入れ込んで欲しいと
思っています。これも大手サッシメーカーには前々からお願いしていますが、
L社とT社どちらが先に実行してくれるかでやる気の度合いが図れそうです。




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10年来の疑問に解決の兆しが見えました。

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10年来の疑問に解決の兆しが見えました。

ずっと疑問に思っていたことがあります。

よく遮熱建材のパンフレットを見ていると
「体感温度への影響は輻射の割合〇〇%、対流の割合△△%」というようなことが
書かれています。
そもそも人体と部屋の温度のやりとりは伝導、対流、輻射(放射ともいう)
の3形態にわかれます。

それぞれをわかりやすく説明すると伝導は足の裏から直接床に奪われること。
対流は空気を通して熱が奪われること。
輻射は床、壁、天井のほうが温度が低い場合、体の表面から電磁波として熱が
奪われることを示しています。

しかし、今までこういったパンフレットに乗っている比率に対して論文等も読んだ
ことがなかった上、自分でも深く調べたことはありませんでした。
ふとしたことからこれが妙に気になり、環境系の教科書をひもとき、分からない箇所は
ネットで調べていく内に自分でその比率を計算する簡易プログラムを作ってしまいました。

また、省エネ建築診断士講習や講演等で発表しようと思いますが、
結論からいうと、パンフレットのように一概にパーセンテージを決めつけることは
不可能です。仮にそれを表示するのであれば、どういう条件にもとづいているのかを
きちんと書かなければなりません。

まず伝導です。これには皮膚の熱伝導率、床の熱伝導率、体温、床温度
足裏の面積という5つの変数が必要になります。

次に対流です。これには室温、体表面温度、風速という3つの変数が必要です。

最後に輻射です。これに必要なのは人の表面積(男平均1.69㎡、女平均1.51㎡だそうです)
体表面温度、周壁平均温度の3つの変数が必要です。

ここで、皮膚の熱伝導率、体温、体表面温度、人の表面積、足裏の面積は定数としたいと思います。

そうすると、本当に変数として残るのは
床の熱伝導率、床温度、室温、体表面温度、周壁平均温度、風速の6つの変数がわかれば、
伝導、対流、放射のそれぞれの影響による人体から熱が逃げる比率を計算することができます。

冬の暖房時において数十パターンにおいて計算してみましたが、
その結果は次世代レベル(Q値2.7)程度以上のレベルでエアコンで20℃を保っている場合と
して計算した場合、輻射の影響は対流の影響のほぼ倍、足の裏からの伝導による熱の逃げは輻射の
1/10程度と非常に小さいものであることが分かりました。

ただし、これはあくまで逃げる熱量の話であり、体感ではありません。皆さん知ってのとおり
床表面温度は体感温度に大きな影響を及ぼします。

ここまでは人体からの熱の逃げ(マイナス面)ばかりを見て来ましたが、ここで
着衣量と人体自身の発熱量(プラス面)も計算してみました。
そうやって計算した結果、Q値が1のように外皮性能が高く、エアコンの設定温度を
低くできている場合(室温22℃、周壁平均温21℃、体感温度21.5℃)
かなり良い感じで「逃げる熱量=発熱量」という熱的に平衡な状態になることが
分かって来ました。

非常にマニアックな話ですが、ここまでの計算プログラムを考えていく中で、
突き詰めれば突き詰めるほど宿谷先生のエクセルギーの表はよくできていると
痛感させられました。

この計算式を作るにあたり、人の表面積、人の表面温度、人の放射率(定数)
着衣量の数式化、人間の基礎代謝量(体脂肪計に出てくるやつです)
等さまざまなことを調べる必要がありました。インターネットが一般的で
なかった大学時代であればこの数式を組むのに卒論の1年がかかったと思います。
しかし、今であれば半日もあればこれが組めてしまいます。やはりインターネット
というのは確実に科学技術の進歩を加速させる効果がありますね。

また時間があるときに、この計算式をもっと煮詰めて一覧表にし、公開できれば
と思っております。










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5月23,24に福岡で省エネ建築診断士講習を開催します。

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5月23,24に福岡で省エネ建築診断士講習を開催します。

今日は午前中は新規のお客様と打合せをしたあと、
昼からは某大手建築CADメーカーの取締役と企画の方が
今は言えないマル秘プロジェクトのために来社されました。
これからまた面白い展開がはじまりそうな予感がします。

今日は再来月に開催される第9回省エネ建築診断士講習@福岡を告知します。

詳しくは下記のホームページをご覧の上、お申込み下さい。
http://passivehouse-japan.jimdo.com/%E7%9C%81%E3%82%A8%E3%83%8D%E5%BB%BA%E7%AF%89%E8%A8%BA%E6%96%AD%E5%A3%AB-energy-consultant-training/

大阪以西では初めての開催となります。今まで参加できなかった九州、中国、四国方面の
方はふるってご参加いただければと思います。前回の大阪ではキャンセル待ちが続出し
たくさんの方にご迷惑をおかけしました。次回はまだ告知して間もないこともあり、
いまのところまだまだ申し込み可能です。

たくさんの方のお申込みお待ちしております!!
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また一人「すごい!!」と思える日本人を発見しました。

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また一人「すごい!!」と思える日本人を発見しました。

今日は午前中は京都のとある建築団体の理事の方々が来られました。
講演の依頼と設計監修の依頼でした。これまたいろいろと新しいつながりが
生まれそうです。

他にも日経ホームビルダーの編集長からお電話をいただき、4月にイベントを
するそうでそちらでの講演もしくはセミナー?電話だけではよく子細が
わからなかったのでそれもお引き受けすることとなりました。

今日は先日毎週欠かさず見ている「未来世紀ジパング」で紹介されていた
お医者さん「北原茂実」さんです。
八王子にある北原脳神経外科病院の院長先生ですが、
「世のため人のためより良い医療をより安く」
「日本の医療を輸出産業に育てる」
を経営理念にしておられるおそらく医療業界では異端児であろうと思われる
先生です。

番組を見て「スゴい!!」と思ったので、書籍がないかと調べてみたらありました。
それが「病院がトヨタを超える日」という本でしたが、以前書評で紹介されているのを
見てはいましたが、そのときはピンと来ず買わずにいました。

本も読みましたがこの先生は本当にすごい。個人が経営する病院としてはそれなりに
大きい病院だと思いますが、それでも個人の病院です。
しかしながら、非常に大局的に医療問題を捉えており、しかもそれをなんとかしようと
東奔西走しておられます。
自分の病院においても法の範囲で出来る限りの改革を日々実行しているようですが、
カンボジアにてゼロから病院と国の医療システムを指導中のようです。

この方の本を読むと、日本の医療の問題だけでなく、アメリカの医療の問題、
ヨーロッパの医療の問題、韓国やタイといったメディカルツーリズムが発達した国の問題等
が幅広く分かります。また日本においてなぜ世界最先端の薬が使えないのかといった疑問も
すぐに理解出来ました。日本が国民皆保険という制度によって安くて一様のサービスが受けられる
反面、時代に合わなくなってきているということがよく分かりました。

この方のすごいところは、一病院経営者であるにも関わらず、国民の健康、日本の医療制度
ひいては世界中で医療を受けられない方がこれから受けられるようにすること、はては教育に
おいてまでも総合して「あるべき姿」を追求しているということです。ここまでなら結構誰でも
できるかもしれません。しかし、それに少しでも近づけていくために、自分の病院を改革し
成功例を見せつける。カンボジアにおいても事業を成功させてその成功を日本に逆輸入させる等
制度が複雑化した日本の業界をなんとか動かそうと必死で動かれています。

私はこういう人が大好きです。
私が尊敬してしまう人は下記のような人物です

・圧倒的に深い思考、また斬新な思考ができる方
・自分やその周りの利益だけでなく、人のためや地球のためといった大局観に基づいて行動する方
・理想論だけでなく、自分でもがいて行動してうねりを起こしていける人

こういう基準を持っているからこそ孫さんや飯田哲也さんといった人を尊敬してしまうんでしょうね。

私は建築関係の人間ですが、医療は全ての人に関わることです。
非常に薄く838円と安い本です。一度読んで見ることをオススメします。







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別れの季節

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別れの季節

今日は本当に久しぶりに1日休みが取れました。娘に「どこに行きたい?」と聞くと
間髪入れずに「セントラルパーク」というので、要望どおりセントラルパークに連れて行きました。
今日はワンワンショーのあと、子犬を抱っこさせてもらえるチャンスがありました
ふだんは触れる機会がなく、犬に慣れていませんが、余程うれしかったらしく、30分も
抱っこし続けていました。意外な一面を見ることができてよかったです。

それから5年以上前に設計した東播磨中央教会に寄りました。
昨日突然、牧師さんからお電話があり、この火曜日に長野に転勤?されるとのこと
(全国規模の団体の場合はこういうことがあります)

あまりに突然なことだったので驚きましたが、この先生には本当にお世話になりました。
教会など一度も設計したことがなかった私に教会のいろはを教えてくださったのも
この先生ですし、教会員を上手にまとめてくださったのも先生です。

教会関係のいろんな仕事があるたびに必ず声をかけてくださり、今設計している
尼崎の教会が決まったのも先生のご紹介あっての話でした。そんなお世話になりっぱなしの
先生が遠くに行かれるということで会いに行かないわけにはいきません。珍しく今日は時間が
あったのは神様の思し召しかもしれません。

幸いにも長野は先生の故郷だということ、年老いたお母様もまだ健在だそうなので、その意味では
良いことなんだと思います。しかし、先頭に立ってきづき上げた教会を離れ、会いたいときにあえなく
なると考えるとそれはやはり寂しいことです。

これから新天地に行かれても今までどおり明るく健やかな先生で居続けて欲しいと思います。
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2件の引渡しと2件の打合せ

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2件の引渡しと2件の打合せ

今日はなかなかハードな1日でした。
朝一から加古川のM邸の引渡し、昼からは姫路O邸の引渡しをたてつづけに行いました。
どちらも今までに無いタイプの住宅で非常にようできており、ぜひとも見学会を
行なって見ていただきたい住宅でしたが、工程や引越しの都合で見ていただく
ことができませんでした。またホームページもしくはM邸に関しては完成後も
見せていただく機会があるかもしれません。

それが終わると事務所にてG邸の打合せ、さらにそれが終わるとM邸の
ファーストプレゼンテーションを行いました。

その打合せの最中に来週最終回のAVANTIの放送があったんですが、
初めて録音に成功しました。RADIKAというソフトがフリーで使いやすいですね。
来週の分も忘れず録音しようと思っています。しかし、引渡しも一抹の寂しさが
あるもんですが、土曜に2件引き渡した上に、AVANTIも終わってしまうということで
本当に感傷的な気分になる週末となりました。





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心疾患、脳血管疾患の県別の疾患発生率

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心疾患、脳血管疾患の県別の疾患発生率

昨日の記事はかなり大きな反響となりました。

飯田哲也さんにも紹介していただきましたが、寒さの影響をまともに
受けやすい心疾患、脳血管疾患が北海道において最も少ないという事実は
知らない方が多いようです。

また、北海道ほどではなくても、本州で最も寒い青森でもかなり少なくなってきています。
最近東北に行く機会がちょこちょこあってそこで気がついたのですが、寒さが厳しい
北東北に行けば行くほど断熱性能や全館暖房が増え、まだ寒さがましな南東北と呼ばれる
地域ではⅣ地域同様中途半端な性能の住宅が多いと思います。

その結果が一目で分かるのが下に示した疾患率上位と下位の表になります。
(出典:北海道大学 羽山教授)

県別疾患率上位
県別疾患率下位

黄色で塗ってあるのは皆さんが意外に思われるような結果が出ている都道府県です。
これらに注目すると、外気温よりも、家の断熱性能、もしくは全館暖房の有無の方が
はるかに大きな影響が出ていることに気がつきます。

ちなみに脳血管疾患、心疾患が起こると緊急手術と一ヶ月の入院の医療費合計だけで
150から200万かかるようです。60歳未満の3割負担の人でも50万以上、
1割負担のご老人でも15万以上はかかります。

さらに脳梗塞等で後遺症が残った場合、通所介護等の費用を合計すると
月20万以上の費用が毎月かかってくるようです。
自己負担1割としても2万円以上
実際には保険適用外サービスも必要なようで
それも合わせると3万円以上かかるそうです。
年金生活の方にこの負担は非常に重いと思われます。

もちろん7割から9割負担となる国の財政にとっても超痛いはずです・・・・。

なのにそれを放置し、窓の基準、断熱性の基準を緩いままとし、
エネルギーさえ減れば良いという感じで進んでいる現状があります。

上記の医療費や後遺症のことを考えても断熱に関する費用を削ろうと
思う方がいらっしゃるでしょうか?

住宅を購入しようとしている人はこんな家は買うべきではありませんし、
提供する側はこんな住宅を供給すべきではないことは火を見るより明らかなことです。



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サッシ業界に存在する完全犯罪的悪循環の構図

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サッシ業界に存在する完全犯罪的悪循環の構図

今日は午前中某サッシメーカーの重役の方々が大阪と東京から計3名わざわざいらっしゃいました。
たまたま資料請求をしただけなんですが、新建ハウジングの窓特集号が相当に衝撃的だったらしく
社長まで目を通されたとのことでした。で資料請求ついでに面会希望が入り、今日のご来社と
相成ったわけです。

さすがにサッシメーカーの重役の方たちだけあってサッシに対する知識と思いはかなりのものが
ありました。私も知らないことがたくさんあり、いろいろ勉強になりました。

お互い話しをしていく中で、日本のサッシが世界的にここまで遅れてしまった理由が
かなり明らかになりました。それが表題の「完全犯罪的悪循環」という言葉がもっとも
しっくりくる感じだったのでそう名づけました。

まず、前から何度もお伝えしているように、国に窓の熱貫流率の最低基準がないこと。
さらに、最低基準がない上に血税が元である補助金の対象となるサッシのレベルがおとなり韓国の
半分程度の性能というわけのわからなさ。

それを見た実務者は「国の基準があんなもんだったら、それ以上狙う必要ないじゃん!」
という思考停止。本来、大多数の日本人は政治家や官僚に対して良いイメージを持っていない
はず!ところが、いざ彼らが作った基準が書面になって交付されると、自分で良し悪しを検討
することもなく「お上が作った基準だから・・・」と本当に良し悪しを検討することもなく
鵜呑みにする。これでは都合がいいと言われても仕方がありません。

さらにはいいサッシを業者側が提供しようとしても、客観的な燃費基準が存在しないため
熱貫流率4.65でも2.33でも「ペアガラス」というひとことで同じくくりで終わって
しまうこともしばしば、客観的な燃費表示があれば、他社と価格競争になっても
「A社さんが安いのは低性能なサッシを使ってるからなんですよ。燃費がこんなにも
違うから当たり前ですね」というトークが可能となります。しかし燃費基準がない現状では
建もの燃費ナビ等を使いこなせる工務店さん以外でこういうトークはほぼ不可能。

また、生半可に我慢出来るような通称「温暖地」であることと、昔からの生活習慣として
全館暖房が普及していない。その結果、窓を高性能化しても光熱費のメリットが寒冷地ほどは
露骨に分かるという感じになりにくい。ということは利用するエネルギーの差も出にくくなるので
国としても基準を強化する動機になりにくい・・・。実際これは非常におかしいところで
脳卒中や心筋梗塞等の死亡者が最も少ないのは家が暖かい北海道というのはちゃんと勉強
している人の間では常識です。
逆に「温暖だから断熱なんか適当でいいんだよ」という声が現場でよく聞かれるような特に
暖かい地域。例えば高知、鹿児島、静岡といったところは死亡率が上位に並んでいます。
(沖縄は本当に断熱性が低くても冬暖かいので北海道に並んで低い位置にいます)

こうやって見るとどれか一つでも実現していれば、ほとんど技術革新のない状態が20年以上
続くなどということはなかったはずです。見事なまでの完全な悪循環が周り続けるシステムが
できあがっています。ここまで行くと見事としかいえないくらいです。偶然できたにしては出来すぎの
システムです。何らかの力が働いていると考える方が自然な気もします。

サッシの批判をすると「窓ばかりいじめる」という方がいらっしゃいます。
しかし、工業製品の世界で20年以上技術革新がなされていない業界がこの日本において
他にあるでしょうか?ITなら1年でも古くなりますが、もっと進展の遅い機械工学の
世界であっても10年といえばかなりの技術進歩があるはずです。20年以上技術革新を
放棄しているのは5カ年計画を実行していたソ連くらいではないでしょうか?

しかも、この最も遅れている項目が、日本の省資源、省CO2においてもっとも大きな
削減余地を持っており、同時にもっとも費用対効果が高い項目でもあります。
風力に頼るよりも、太陽光に頼るよりもまして原発に頼るなどもってのほかですが、
それらよりずっと以前にやるべきことの1丁目1番地なわけです。

日本の省エネはエネルギー源の方ばかりに目が向いていますが、やはり利用量を
減らす方が先です。出血をとめもせずに止血剤を飲み続けるような省エネ政策は
順序が間違っています。マスコミはドイツを自然エネルギーの側面からしか見ていないように
見えますが、それよりずっと先行してこの「出血をまず止める」ということを
やってきました。

窓の高性能化が進めば、多くの日本人が、住宅であれ、ビルであれ、冷暖房に
頼る割り合いをかなり減らした上で冷暖房による気流感が減って快適性はあがります。
冷房病も減るし、あらゆる疾病も少なくなって健康になり、医療費も下がります。
その上に省エネになって、エネルギーの安全保障もCO2削減も同時に実現できる。

これほど確実かつ効果があがる項目が野放しにされている・・・。いくらどう考えても
納得がいかないので少しでも効果が目に見えてくるまで「何度でも何度でも」
発言し、講演し、専門誌等でも訴えて続けていこうと思う次第です。




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業界紙掲載&取材と近作紹介

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業界紙掲載&取材と近作紹介

昨日になりますが、午前中にガラス建装時報という業界紙の方が取材に来られました。
と同時に2月に日本板硝子にて講演した時の記事を持ってきてくださいました。
いただくまで掲載されていることを知りませんでした。
http://www.matsuosekkei.com/gazou/glass.jpg
良ければ御覧ください。

それと同時に先日お引き渡しした住宅の写真をアップしました。
こちらも良ければ御覧ください。

来週も2件引渡しがありますが、工程や引越しの都合で見学会を行うことが
できません。また後日写真だけでもアップ、さらにできれば、完成後の見学会も
できるようであれば実施するかもしれません。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.486730328052962.1073741826.178046555588009&type=3

今日は今日で朝から土山N邸の地鎮祭、昼からは新規のお客様と打合。
さらには夕方にはプランもしていない状態で「お願いします。」という電話をいただきました。
なかなかインパクトの強いことが多い1日となりました。





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防災セットが一式揃いました!

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防災セットが一式揃いました!

今日朝の新聞を見ると、南海、東南海地震の被害予測が大々的に出ていました。

地震予知、それから災害予想等の記事や番組は細かく目を通すようにしているので
今日も朝から注意深く読みました。

以前NHKスペシャルでもやっていたんですが、南海、東南海地震が同時に起こると
最悪5000万人分の物流がストップするそうです。東日本大震災でも200万人
レベルだったと思いますが、それでも現地の物流が回復するまでにあれだけの期間が
かかったわけです。阪神大震災においても本当に大変だった地域は神戸市内の中央部
近辺だったのでおそらく200万人前後の方が物流で困ったのではないかと思います。

ということで、各自治体はこういうときのために食料や水を備蓄しようとしているんですが
どう考えても無理があるということで、イオン等の協力を現時点で要請しているとのこと。
しかし、いくらイオンといえど不要な在庫を大量に抱えることには限界があるでしょう。
また自分の店のエリアの住民すべての1週間分とかを確保するのは不可能だと思います。

ここでちょっと思考実験、一人の3日分の食料が30cm角の立方体で配られるとして
これが10万人分とするとどれくらいになるのか?
一人分の体積は0.027m3。10万人分だと2700m3となります。
天井高さ2.4mの平屋に通路など全くなしでぎゅうぎゅうに詰め込んだとして
1125㎡(340坪)必要という結果がでてきます。だいたい33mの正方形に該当します。

10万人でもこれだけいるわけです。しかし、もし量があったとしても5000万人もの人に
手早く配ることは不可能だと思います。

私自身兵庫県に住んでいながら阪神大震災時は幸運にも九州の大学にいたことから
震災は経験しておりません。しかしながら、大学時代に信州にバスでスキーツアーに
参加した際、大雪に見まわれ、高速道路上で48時間1mも動かなくなった経験があります。

当然食料や水など持っているわけではなく、高速道路の塀をまたいで現地のコンビニ等を
めぐるわけですが、皆同じ行動をしているのでまともな食料は全て売り切れています。
残っているのはしょうもないお菓子だけでしたが、それでも食べないよりはましなので
買って空腹を満たした記憶があります。

たった2日間で、炊き出しもありましたが、我々のバスには炊き出しは回って来ませんでした。
また48時間の中でだんだん皆のいらいらが募って来て、雰囲気も悪くなったのを覚えています。
たった48時間、しかも身内も安全である程度の食料や水があってすらこの状況です。
備えをせずに大震災など起ころうものならどれほど悲惨な目に遭うのか?私は結構
リアルに想像することができます。

また地震よりも、私が個人的に一番心配しているのは富士山の噴火です。つい最近読んだ
火山の専門家による予測の本においても2015年±2年の間が富士山の噴火に関して最も
危険性が高いと書かれていました。

そんなわけで防災セットを用意したわけですが、東日本の直後は殺到したため購入
することができませんでした。
そこで、つい最近リュックにつまった避難時に必要な用具一式は購入していました。
それによって道具類はそれなりに充実していました。

しかし、足らないと思うものがありました。
まず、防寒具。これに関してはアルミでコンパクトにたためる防寒シートを購入。

次に水、ペットボトルが数本ついてはいましたが、これだけで数日をしのぐのが不可能
なことは明らかなわけです。といって1.5Lのペットボトルを何本も持っていくことも不可能
です。そこで非常にいいものを見つけました。
700mlのペットボトルくらいの大きさで、たいていの水をろ過できるろ過装置付きペット
ボトルです。
http://www.pal-shop.jp/app/detail.php?mskmno=S9132206300&caid=1303&kid=&catid=&kflg=
これがあれば、泥水や川の水でも安心して飲むことができそうです。
実際、阪神大震災のときには、水が無く、多くの人が道路の亀裂から出てくる
水道管から破裂して出てくる水を汲んで飲まざるを得なかったのです。

そして最後は食料です。
震災直後は賞味期限が切れる直前になるまでレトルト食品を1ヶ月分くらい箱に
詰めてローテーションしていましたが、やはり続きません・・・。
カロリーメイト等を見ても実は意外と賞味期限は短いのです。
これでは役に立ちません。そこで超長期間において保存できる食料が
ないかと調べて見るとすぐに見つかりました。
http://www.sei-inc.co.jp/
その名もサバイバルフーズ!!25年間保存可能です。

安くはありませんが、万が一のときに飢えをしのげることを思えば非常に
安い買い物です。震災で3日間食事にありつけなかったとしたら、
カロリーメイト1本でも1万円出しても欲しいと思うはずです。それでも
おそらく震災時は購入することはできません。それが想像できるから
備えはやはり必要だと思います。

電気も原発から太陽光や風力などの小規模分散の方向で進んでいます。
災害時の備蓄も誰かに頼るよりも、小規模分散で家族の分は自分たちで
責任をもって備蓄しておくしか自分を守る方法はないと思っています。

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