兵庫県の注文住宅建築設計事務所 松尾設計室のブログ

「健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する」設計事務所です。

ほとんどの光熱費シミュレーションが実際よりかなり安く出るという事実

ほとんどの光熱費シミュレーションが実際よりかなり安く出るという事実

先日紹介した福井パッシブハウスの足場がとれた写真が届いたので
公開します。
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日本の住宅らしからぬ外観ではありますが、デザインのバランスは考えて設計しました。

今日は久々に熱環境の話題です。

最近、熱環境に非常に熱心な工務店、設計事務所等が「建もの燃費ナビ」を導入しは
じめています。

そこから今まで使っていたソフトとの差を提供してくださる方がポツポツと出てきました。

私は今でこそ燃費ナビを中心に使っていますが、それまでは国内の実務者向けのソフトは
ほとんど実際に使い、計算してきたという自負があります。

手前味噌で恐縮ですが、実務者で私と同じくらいいろんなソフトの話ができた人は
関東の〇〇〇〇テックのAさんただひとりでした。もちろんひとつのソフトだけを強烈に
極めた方というのはほかにもたくさんいらっしゃいます。念のため

今もQ値や、光熱費を計算するソフトは国内にいくつかあります。しかし、そのほとんどが
国がベースにしているsmashもしくはそれの改良版であるsimheatというソフトの結果に
近づくようにプログラミングされています。そうでなければ、国のお墨付きが出ないからです。

ところが、この結果がクセモノなんです・・・。

この結果に基づいて、冷暖房費を計算するとほぼ確実に実際よりもかなり少なめに出てしまいます。
最初の営業時だけからすると「実際以上に光熱費が安く見えるので売りやすい」となるかもしれませんが
化けの皮は初年度ではがれます。本当にこの金額をベースに収支計算をしているお客様であれば
「詐欺じゃないか!」と言われかねない恐ろしさを含んでいます。

実際、最近当社で国内の某ソフトではじき出した暖房負荷と
燃費ナビではじき出したものを比較すると燃費ナビの方が1.56倍大きな値でした。

同様に仲間内のSさんも同様の比較を行いましたが1.79倍燃費ナビの方が大きな値が
出ました。

私もSさんもこれまでかなりの件数を引き渡し、実際の温度及び光熱費のデータの蓄積も
あります。それらを比較すると明らかに燃費ナビの方が近い値が出るのです・・・。

これは、私とSさんだけの話ではなく、全国他の工務店から結構よく耳にする話しです。
それほどたくさん統計をとったわけではないのですが、だいたい1.5倍から1.8倍くらい
の間になることが多いように思います。

ではこのお国の基準であるsmashとはなんなんでしょう?
あまりにも使いにくい割に高く、しかもまったく更新される気配がないのでもう何年も
まったく使っていません。数年前最後に見た画面は20年前にウインドウズ95時代に
見た画面とおそらくなにも変わっていませんでした。
パソコンソフトでそんなことは普通なら考えられません・・・。

素性は明かせませんが確かな筋から聞いた情報では
「ソフトを改善したい点はいろいろあっても、国の基準となっているので
 改善することが許されない」という実情があるそうです。

そのまったく逆を行くのが燃費ナビです。元のエンジンとなっているPHPPは
毎年シミュレーションと実測値の乖離を縮めるべく改良が施されています。
「そこまで細かくしなくても・・・」とこちらが言いたくなるくらいの執拗さです。

また、基本概念として「できる限り不利側で計算する。実測値より多少悪い結果がでるようにする」
というものがあります。これであれば、実務者が「詐欺じゃないか」と言われることもありません。

燃費ナビも国のお墨付きをもらうために計算結果を「改悪」する方向に向かわせる
こともできなくはありません。しかしながら、そんなことにたいしてまったくもって
意味を感じません。それどころか絶対にやるべきではないと思ってしまうのです。

賛否両論あるかと思いますが、皆さんのご意見をお聞かせいただければと思います。




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