兵庫県の注文住宅建築設計事務所 松尾設計室のブログ

「健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する」設計事務所です。

人は薄着の方が夏涼しいのに家は高断熱の方が夏涼しいのはなぜか?

人は薄着の方が夏涼しいのに家は高断熱の方が夏涼しいのはなぜか?

「高断熱住宅」と聞いた瞬間に「夏暑いのでは」と思われる方がいらっしゃいます。
熱環境の専門家の間ではそれを「高断熱化しすぎるとオーバーヒートする」とおっしゃる方も
いらっしゃいます。

東西面(できれば北面も)は面積を極力小さくし、遮熱Low-Eガラスを使う。
南面は庇等を設置するということができていれば、高断熱住宅は間違いなく
涼しいです。計算結果でも当たり前ですが、100軒以上の実績からも何度も経験しています。

単純な計算をしてみましょう。夏の屋根の表面温度は50℃くらいになることもあります。
仮に室温を27℃設定とすると温度差は23℃です。

このときに入ってくる熱量は仮に8m四方の屋根に高性能グラスウール100mmだと766W
200mmだと半分になって383Wになります。この結果だけみても断熱性能が倍になれば
部屋に入ってくる熱量が半分になることがわかります。

この計算は屋根の熱貫流率×屋根面積×屋根上下温度差で計算できます。

入ってくる熱量も違いますが、このときの室内側天井表面の温度も差がつきます。

日射がきちんと遮蔽できていれば断熱性が高いほど涼しくなるのはこれだけでも
簡単にわかります。

ではなぜ人間の場合は薄着の方が涼しいのでしょうか?

それは人間の体温が36.5℃くらいであること、面積あたりの発熱量が非常に多いことが
答えです。

もう少し詳しく説明します。
まず、大前提として熱は必ず温度が高い方から低い方へと移動します。
住宅の場合、猛暑時の外気温は軽く30℃を超えます。それにたいして冷房設定温度は
27℃くらいです。この場合、熱は必ず外から内へ移動しようとします。ということはその熱の
動きが少ないほうが暑くなりにくいわけです。

次に人間と周囲の空気の関係を考えてみます。
標準的な体温は36.5℃ですが、周囲の温度がそれ以上になることはなかなか
日本ではありません。ということは絶えず体の方から周囲の外気に向かって
熱が移動していることになります。この場合、熱がスムーズに放散したほうが
涼しいということになります。実際には日当たりの影響もあるのでこれほど単純では
ありませんが、まずはここまでわかっていればいいでしょう。

もう少し深入りして考えてみます。人間一人あたりの発熱量はおよそ100Wと言われています
それに対して表面積はだいたい身長と同じくらいになります。身長1.6mの人は表面積も
1.6㎡くらいになるということになります。この場合、表面積あたりの発熱量は62.5W/㎡になります。

これに対して日射遮蔽、断熱がきちんとできた住宅であれば、この値は7W/㎡程度です。
これを見る限り表面積当たりの発熱量は10倍近く人間のほうが大きいことになります。
ということで、人間は元から周囲より温度が高いことが多く、さらに表面積あたりの発熱量も
非常に大きい、これが「人は薄着の方が夏涼しいのに家は高断熱の方が夏涼しい理由」です。

ちなみにエクセルギーの権威である宿谷教授がよくおっしゃるのですが、重さあたりでいうと
人間は太陽の1万倍くらい発熱しているという強烈な発熱体です。こうやってみると
人間とは「食べ物から得たエネルギーを代謝という形で熱エネルギーに変換
する装置」といってもいいかもしれません。





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