兵庫県の注文住宅建築設計事務所 松尾設計室のブログ

「健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する」設計事務所です。
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「寒い部屋でコタツや薪ストーブに当たるのが気持ち良い」というのは一種の「癖(へき)」である!!

「寒い部屋でコタツや薪ストーブに当たるのが気持ち良い」というのは一種の「癖(へき)」である!!

断熱嫌いの実務者の言い訳で多いのが、「多少寒いくらいの方がいいんだよな」とか「ちょっと寒い中でコタツや薪ストーブにあたるのが気持ちいいんだよ」というのをよく聞きます。前者は個人の感覚の問題なので放っておくとして、後者に関しては熱環境的にいうと
「冷房の効いた部屋で電気ストーブにあたるのは気持ちいい」というのとほぼ同義になります。ほかにも「冬の屋外で焚き火にあたるのも最高だよな」というのとほぼ同義です。たしかに後者はキャンプ特有の情緒のようなものもあって分からないでもないですが、これは非日常の世界です。「冷房の効いた部屋で電気ストーブにあたるのは気持ちいい」というのはやはり非常に不自然ですし、なにより膨大なエネルギーを消費することになります。
もっと噛み砕いて説明してみます。このような環境は「輻射環境のばらつき(ムラ)が大きい」
というのですが、輻射のばらつきが小さい高断熱高気密住宅の室内環境とは真逆の環境といってもいいでしょう。
 専門的な熱環境の解説をしようと思いましたが、あえてそれはやめて例えのオンパレードでやってみようと思います。
・沸かしたての風呂でかき混ぜておらず、上下温度差が激しい状態
・気密性の悪い住宅でエアコンやファンヒーターをガンガンかけて上下温度差が激しい状態
・スーパー銭湯にある。水深5cmくらいの寝転ぶタイプの風呂、背中側は暖かいが
 おなか側は寒い
熱環境以外に例えるなら
・料理のとき、砂糖を入れすぎたから塩で調節する
・平穏な人生より波瀾万丈な人生のほうがいいい!?

等々あげようと思えばそれなりにあげられますが、厳密に言うと少し違う現象も含みました。輻射と対流をごちゃまぜにして説明しているところもあるからです。最後の「平穏な人生より波瀾万丈な人生のほうがいい」に関しては五分五分なところもありますが、それ以外は全てばらつき(ムラ)が少ない方が快適だと感じていただけるのではないかと思います。ばらつきが少ない例として、春や秋の状況が一番わかっていただきやすいと思います。特に「熱い」ほどの暖房器具がなくても誰しも健康で快適に過ごしやすい時期です。
しかし、コタツや薪ストーブなどの「強烈に熱い輻射熱による暖房」は癖になることが多いです。実際、高断熱高気密住宅に住んでも最初の1年はその癖が抜けず、想定より多くの暖房エネルギーを「暑い」といいながらも使ってしまう人がごくまれにいらっしゃいます。そんな方も2年目からは「これで良かったんだ」と正しい暮らし方になりますが、それほど「強烈な輻射熱」というものは力があります。
確かに薪ストーブのもつ火のゆらめきはものすごく情緒があり、魅力的です。私も大好きです。しかしながら、それが寒い中でやるべきかというとそれとこれとはまったくもって別物です。ドイツでも高断熱高気密住宅に「情緒面で好きだから」という理由で薪ストーブを設置されている方がたくさんいらっしゃいます。環境負荷の面で考えても私もそれは大賛成です。実際、高断熱高気密住宅で空気で暖房するよりも、薪ストーブで暖房するほうが、快適性は若干上回ります。高断熱高気密住宅+エアコンによる快適性を上の中とするならば、薪ストーブとの組み合わせは上の上といえます。
 しかしながらこの僅かな快適性と情緒の差を埋めるには100万近いコストがかかります。ワインでもなんでもそうですが、上の上と上の中は違いが分かる方が少ないのと、僅かな違いに大金がかかるという点では非常によく似ているといえます。
 コストをかける順序で考えるとスカスカの低断熱住宅に断熱に費用をかける前に薪ストーブにお金をつぎ込むのはありえない話です。しかしながら、自然素材系の低断熱住宅を建てられる方々が好き好んで薪ストーブを使うのには理由があります。
 「空気を温めるだけの対流型の暖房器具」では到底暖かくならないことを彼ら自身がよく知っているからです。強烈な輻射の力で暖めないと対流による暖かさは期待できないというわけです。しかしながら、これで全て解決するほど甘くはありません。輻射による影響は目視で届くところまでしか届きません。しかも距離の2乗に反比例します。ということは脱衣室やトイレといったヒートショックの危険性が高い部屋はもちろん、各個室にも輻射熱の影響は届かないわけです。ということで、住居内の温度差は非常に大きくなります。
 ということで、話をまとめると、「寒い部屋でコタツや薪ストーブに当たるのが気持ち良い」というのは一種の「癖(へき)」である!!といえるのです。
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