兵庫県の注文住宅建築設計事務所 松尾設計室のブログ

「健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現する」設計事務所です。
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いつも講演で話している通りのトラブル相談がありました。

いつも講演で話している通りのトラブル相談がありました。

昨日の話です。「今住んでいる築1年位の住宅の換気がおかしいので相談に乗って欲しい」
という電話がありました。

珍しい相談だと思いながら聞いてみました。
(最初に断っておきますが、私は業務多忙のため、電話相談にとどめ、引き受けませんでした)

内容は「三種換気(自然給気口+機械排気)ではあるが家の中で異臭がするのでおかしいと思い、
給気口で実際に風量計を借りてきて測ってみたところ、自然給気口からの
給気口はゼロでした。その代わりにコンセントまわりやその他全く関係がないあちこちから
空気が入ってきています。」

とのことでした。一般的な工務店で建ててもらったようで、他にも基礎のヒビ等いろいろ
問題を抱えながら「補修する」という誓約書を交わした上で引き渡しを受けたそうです。
しかしながら、対応が悪く、決定的な打開策もない中で連絡してこられたようでした。

このような問題は実は大半の建売住宅、及び工務店が建てる住宅、ヘタすれば住宅
メーカーの家でも起こっていることがあります。

日本の新築住宅の9割以上が採用している三種換気は住宅の隙間が非常に少ない
ことで、圧力が効くという前提で成り立っているシステムです。これに必要なC値というのは
最低でも2以下、理想的には1以下です。しかしながら、ほとんどの住宅は3から4です。

建築基準法では自然給気口と機械による排気の換気扇さえついていれば確認申請が
おります。また、これを設置している以上、実際に換気システムとして働いていようが
いまいが罰則があるわけでもありません。実際にこれで裁判を起こしてもおそらく勝ち目は
ないでしょう。

換気システムひとつとってもこの調子です。「次世代省エネ基準」と呼ばれる
住宅を作っても夏涼しく、冬暖かい住宅をサラリーマンが常識的な光熱費で実現
することはできません。

しかし、次世代があがりだと信じ込んでいる実務者が8割、2割の実務者は次世代
などやり過ぎだとさえ思っているフシがあります・・・。

「基準さえ守ればいい」住宅業界の実務者の大半がこの考え方です。

ドイツや北欧諸国のように基準がちゃんとしていればこれでも構わないのかも
しれません。しかしながら、基準がこんな有り様だからそのとおりに作っても良い住宅には
ならない・・・

エネパス協会の今泉さんがうまいこと言ってました。
「基準基準と言うのなら労働基準法も順守すればいいじゃないですか!?」

長時間労働が当たり前の住宅業界でそれを守っている業者はほとんどいません。

プロがプロとして一人ひとりきちんと考えて作る!
こんな当たり前のことが断熱マニアの素人よりもできていない。

住宅メーカーも研究所の人は皆さん優秀で私たちとほぼ同じ考え方です。
しかし、窓を始めとする断熱性能をあげようと、役員会に提出すると
「それは売れるのか?そんな地味なことなんでしないといけないんだ」
という大半を占める営業系役員の一声でかき消されます。

大手住宅メーカーで私が合格ラインに乗っていると思う住宅メーカーは
一条工務店とスウェーデンハウスさんしかありません。
(その他にも惜しい会社は数社あります)

住宅メーカーは耐震性と、雨漏りに関するこだわりようは凄いですが
室内環境に関しては完全に後回しというのが実態です。

ヨーロッパのように燃費表示制度があれば、こういった状況はひと目で
一般消費者にも理解され、性能競争が始まるでしょう。

しかし、今の住宅業界は営業マンのトークレベルと
カタログの出来具合で「省エネっぽさ」と「高断熱っぽさ」が勝負の世界です。
生涯一高い買い物で、生涯で一番長く使うものがこのような状況で
売買されているのです・・・・

それによる暑さ、寒さ、高い光熱費は生涯にわたって、お施主様が負担し続けます。

ヨーロッパのように国が国民を大事に考えた基準や法律を作っている国は
このようなことはありません。

なんと、なんと残念で、もったいなく、卑劣で情けない状況か・・・・。

そう思うからこそ、日々走り回るしかないわけです。
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