兵庫県の注文住宅建築設計事務所 松尾設計室のブログ

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星のや京都に関するブログに対するご意見への返答

先日星のや京都に関してブログ記事を書いたところ
建築家ご本人からコメントをいただきました。

ご本人のコメントとわたしの返答を両方掲載させていただきます。

まずご本人からのコメントです。

星のやファンの方から御社のブログ日記について内容の質問があり拝読いたしました。宿泊の感想につきましてはお客様それぞれの個人的見解ですのでしかたがありませんが、間違った事実に基づいております部分につきましては、ご説明させていただき、このコメントを残していただくか、ご理解いただけましたら訂正をお願いしたくこの文章をお送りいたします。

私は3つの『星のや』を設計いたしました東環境・建築研究所の東です。『星のや京都』は古い日本建築を改修したものです。ご存知のとおり、昔の日本建築は真壁でできており、実際、改修以前この建物は真壁でした。真壁は柱を内外にだし、壁の部分は竹などの小舞壁を下地に外部内部を佐官で仕上げているため、もちろん断熱はもともとありませんし、この建物ができたときには断熱材自体も世の中にはなかったと思います。
しかしながら、『星のや京都』としての改修には、一部の和室として残すと決めた部屋以外は内装側を大壁にし(柱を隠し、壁をふかして新たに仕上げをする)、壁にも断熱をいたしております。また、屋根裏の空間にも断熱材を敷き込んでおります。床下にも断熱材をいれております。また、居室(和室や寝室)はペアガラスになっており、寝室や書斎の床には床暖房も設置しております。つまり、『ほとんど無断熱』の建物ではございません。『ほとんど断熱を行っている』建物です。
もともと、長い年月の中でアルミサッシや新建材(木風のフェイクの仕上げなど)が混ざってきており、そういったものをすべて排除し、本来の日本家屋の魅力に修正することが私の目的でしたので、アルミ建具は木製建具にもどしております。「星のや軽井沢」では、高気密木製建具を使っておりますが、既存の日本家屋には重量的にも、また、目的にも過剰と判断しましたが、できる限りの断熱性能は確保しております。

暖かいことに驚かれたとかかれておりますが、それは、断熱をしていないという誤解からの内容だと思います。また、私どもも設備設計もビルなどの設計を主としているわけでなく、私も住宅を多く設計しておりますことも付け加えさせていただきます。
住宅はいつも使われる方の嗜好に対応すればよいのですが、宿泊施設は、寒さに強い方、弱い方、暑がりの方いろいろな方が毎晩宿泊をされますので、その対応を考えますと、本来、設備的には住宅と比較することはできないかと思います。
私どもの常識から言えば、ダクト式のエアコンは宿泊施設では効率からいってもグレードの高いやり方であり、とくに窓際にあれば、コールドドラフトもふせげ、効果的です。住宅では、それだけの予算もありませんし、壁掛けエアコンや輻射暖房(断熱を含め)で住まい手の一番快適なところを狙えばよいのですが、そうはいかないのが宿泊施設です。

『星のや軽井沢』(JIA環境賞をいただいております)に宿泊いただければ、輻射暖房を主として(しかも全体消費エネルギーの7割以上が地熱、温泉排熱、水力発電)いる環境をご経験いただけます。古い日本家屋の良さを残すことを主眼としている京都では、エネルギーの考え方は違う旨お伝えいたします。

次に、『貼りもの』とおっしゃっている家具についてです。家具のほとんどは、『星のや』の家具、京都で訪問されたという内藤さんの『虎屋カフェ』の家具も作っている工場と直接コラボしているものです。
木も植林をしてリサイクル可能とはいえ、無尽蔵に使えるものではありません。また、無垢には良さと難しさがあります。私どもは、無垢と練りつけ、厚単板貼りなど、使われる場所や大きさで使いわけております。京都の家具は、神代杉や松など日本の造作で使われる系統の樹種をつかっております。練りつけは一般的なものより厚いものをいつも使っております。私の住んでおります『塔の家』にも樹種は違いますがヨーロピアンチェリーの練りつけの家具(同じ家具工場の製作)が入っておりますが、今やきれいな飴色になっております。つまり、入った時が一番きれいなことを狙ったいるつもりはありませんし、将来において、味がでてくることを考えておりますので、誤解のないように申し上げます。

建築家あるいは設計士が他の人が設計した作品を批評するときには内容をきちんと理解をして責任をもった内容であるべきです。生半可な思い込みからくる情報でブログをアップされますと大変迷惑であることはご理解いただけるのではないかと思います。本来の目的は、ご自分の考え方のための比較例としてあげられたのでしょうが、間違った思い込みの記載は私どもといたしましては大変迷惑です。すでに本当なのかという問い合わせまでありましたので、誤解を生むような内容はご自重いただきますようお願いいたします。
質問などございましたら、ご連絡いただければご説明いたします。

以下私からの返答です。

まず、最初に返答が遅くなったことお詫び申し上げます。コメントがつくことが滅多にないので、確認していなかったところ知人から教えてもらってコメントを頂いていることに気がついた次第です。それと、誤った点があったこともお詫び申し上げます。その点に関してはブログでも是正コメントを出したいと思います。正直、ご本人からこのようなコメントを頂くようなことになるとは全く思っておりませんでした。しかも、実名を出しての正々堂々とした反論には頭が下がりました。
その上で私の改めての見解を申し上げたいと思います。まず最初に「ほぼ」と書いてあります。当然、図面を見られるわけではありません。よって目視と体感でしか判断することができません。また、私は高断熱の世界の人間であり、その尺度から見た「ほぼ無断熱」という解釈であることもご理解いただければと思います。
体感した感じでは屋根と床下はおそらくある程度は入っているだろう。壁に関しては全くわからないという感覚を受けました。
また、そもそもあのような伝統的な宿に断熱性能を求めて伺ったわけではありません。超高級伝統建築を最近話題の建築家&星のリゾートのコンビがどのような設計をしているのかを勉強するために高い宿泊料を支払って、社員のうち4名の業務を2日も停めて行きました。
当社は10名ほどの設計事務所ですが、設計事務所が4名を引き連れて2日業務を止めて、10万近い宿泊料を支払う・・・。この時点で当然ながら期待値のレベルはかなり上がってしまいます。
私達は普段は2000万から3000万程度の住宅の仕事が量的には最も多い事務所です。まれに住宅でも5000万オーバー、たまには1億超えの施設が来るという程度で東様のような大きく、かつ予算が比較的潤沢な仕事はほとんどありません。
しかしながら、今回伺うことで、自分たちとは次元の違う設計及び、ディティールの中に2000から3000万の住宅んい落とし込めるエッセンスがなにかあるのではないか。また、そういった住宅の設計をする上でも自分たちのセンス向上になる要素があるのではないか・・・。そのような期待を込めて伺った次第です。
それが当初の目的であったため、あれだけ古い木造建築なのにあそこまで暖かくできていることに関して、本当に驚かされたのです。それも窓に関しては木製の製作シングルガラスであったから余計に衝撃的でした。窓際があれだけ断熱的に劣っている設計をあそこまでの温熱環境に持っていくということは私の常識にはありませんでした。ですから素直に驚かされたわけです。
家具に関してですが、私もメラミン等は好きではありません。しかし、表面厚さが2mm以上あるような厚板であれば、貼りものといっても別にそれほど嫌な気はしません。有名な工場で作られたものだということで、デザイン的にも悪いとは思いませんでしたが、多人数の利用を想定してなのか、表面加工がほとんどウレタン塗装的な質感を感じました。木材の資源的な側面などは当然こちらも重々承知しております。しかし、1泊10万程度取るということは、私がいうのもなんですが、燃費や環境といったこととは別次元にした圧倒的な質感を期待してしまうものです。我々が普段体験している日常とは別次元の高級感を社員にも経験んさせてあげたい。そこで、目を養ってもらいたい。それを期待していった私の感覚を元に書いた文章であるということをご理解いただければと思います。
 
 ということで、断熱批判をするものでは決してありませんでした。また、10万円という金額設定でなく、3万とか4万という設定であれば、評価が全く異なっていたと思います。

この記事を書くにあたり、その1ヶ月前くらいにオーストリアの超高断熱ロッジに3泊ほどしてきました。見た目や広さは星のや京都に大きく劣りますが、温熱環境は本当に素晴らしく、無音かつパジャマだけ、裸足でも全く寒さを感じない本当に素晴らしい温熱環境でした。しかしながら、宿泊費用は星のやよりも圧倒的に安く、そのギャップから批評が厳しくなってしまったことは、東さんには全く関係のないことであり、私が反省すべき点であると思います。

 なお、追記ですが、今日明日と偶然ですが星のや軽井沢に宿泊させていただきます。僭越かつ恐縮ではありますが、これに関しては社内で私だけが土日と月曜の午前中をつぶして向学のために伺います。新築と改修ではやれることのレベルが大きく異なるので、改めてニュートラルな視点で拝見したいと思っております。

ご迷惑をおかけしたこと、ご気分を害されたことに関してあらてめてお詫び申し上げます。

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